レポート

Innovationではなく“We”nnovation …イノベーションは一人では起こせない――『スタート・イノベーション!』著者 ハイス・ファン・ウルフェン氏によるワークショップを体験して

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2018.05.26
ハイス・ファン・ウルフェン氏

ハイス・ファン・ウルフェン氏

イノベーションのスペシャリスト、ハイス・ファン・ウルフェン氏が来日!

『越境型リーダーシップ育成研修 in 飯豊町』のプログラムのベースとなっている「FORTH Innovation Method」。その開発者であり『スタート・イノベーション!』の著者ハイス・ファン・ウルフェン氏が来日し、5月26日に『保守的な大企業の文化をイノベーティブな組織に変革する方法』と題した1日の特別ワークショップが開催されました。

「FORTH Innovation Method」は、大手グローバル企業をはじめ各国の大組織で既に80以上の成功事例が生まれており、その効果の高さが評価され世界中に広がり始めています。保守的な傾向にある、あるいは役割分担が過度に細分化して組織内のコミュニケーションが硬直化している大企業において極めて有効なメソッドと考えられています。

ハイス・ファン・ウルフェン氏 公式サイト(英語)

Innovationではなく“We”nnovation …イノベーションは一人では起こせない

今回のワークショップでは、FORTH Innovation Methodの中から「なぜイノベーションがうまくいかないのか?」「どうしたら上手くいくのか?」といったことをテーマに、アイデア出しのメソッドのエッセンスを、座学だけでなく実際に体験することができました。

ブレインストーミング

メソッドに沿ってブレインストーミング。
驚いたことに数時間で1,100以上のアイデアが創出されました。

今回のワークショップで印象的だったこと。それは、ハイス氏が「Invention(発明)は一人で生み出せるが、Innovationは、決して一人では起こせない。Innovationではなく、“We”nnovationだ」と繰り返し語っていたことです。

ある調査では、イノベーションのアイデアが実際の出口までいくのは7つのうち1つ。つまり残りの6つは市場に行く前にストップしてしまうといわれています。大きな組織でイノベーションが成功しないのは、保守的で経験や成功体験に縛られている組織風土や、経営陣をはじめとするステークホルダーの意識がその障害となっているケースが多くあります。今回のワークショップを通して、組織の中でイノベーションを起こすためには、組織のメンタルを変えていくこと、そしてイノベーションに向けて組織をファシリテートできるリーダーを育成することが必要であるとあらためて実感しました。

【動画】ハイス氏からのメッセージ

『越境型リーダーシップ育成研修 in 飯豊町』では、FORTH Innovation Methodのエッセンスを「地方」という素材を通して体験し、皆さんがご自身の会社で実際にイノベーションに取り組むときに役立つ、プロセスや手法を学んでいただくことを目的としています。日本でこのメソッドを学ぶ場はまだ少なく、是非この機会に体験していただきたいと思います。

ハイス氏、依田真美講師

ハイス氏、依田真美講師とともに。

  • 宮川 由紀子 Yukiko Miyagawa

    宮川 由紀子サイコム・ブレインズ株式会社
    ソリューションユニット
    マネジャー/シニアコンサルタント

    Queensland University of Technology MBA。⽣命保険会社勤務後、豪州にMBA留学。留学中は、20か国以上の学⽣から成るプロジェクトでダイバーシティの洗礼を受ける。2008年サイコム・ブレインズ入社。役員から新⼊社員、ナショナルスタッフなどあらゆる対象の研修を企画 。クライアントからの依頼の案件は1つも同じパターンはなく、毎回何がクライアントにとって最適か頭を絞り、進化させた企画を提案し、ご満足いただく事がこの仕事の最大のやりがい。趣味は歌舞伎とバレエの鑑賞、読書、旅行。