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対談

2020.01.28

事前にアセスメントや映像学習を行い、研修後も参加者がともに学び合う仕組みをデザイン。変わりつつある企業研修の今

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西田 忠康 Tadayasu Nishida
西田 忠康 サイコム・ブレインズ株式会社
ファウンダー 代表取締役社長
事前にアセスメントや映像学習を行い、研修後も参加者がともに学び合う仕組みをデザイン。変わりつつある企業研修の今

リカレント教育の重要性や「自律できない社員」の問題がクローズアップされている中で、企業には自社が成長するための人材開発のあり方を問い直すことが求められています。HRエグゼクティブコンソーシアム代表 楠田祐氏とサイコム・ブレインズ代表 西田忠康が、人材開発の最近の傾向や今後の方向性などについて語りました。

※本記事は『HR EXECUTIVE』(HRエグゼクティブコンソーシアム会報 Vol.10 2019年12月発行)に掲載されたものです。

日本企業の人材開発のあり方は、今後どのように変わっていくのか

  • 楠田 祐
    私は、最近、人材開発の領域では2つの傾向が見られると思います。ひとつはベンダーの二極化です。時代の変化にいち早く対応している人材開発会社と、少し時代についていけなくなってきた人材開発会社に二極化し始めているということですね。そして、もうひとつは企業の人材開発の傾向です。21世紀に入り、タレントマネジメントシステムの導入と時を同じくして、世界で戦えるリーダーが必要だ、サクセッションプランだということで、社内の一部の層、「2-6-2」の上の2に属する人だけに集中して人材開発が行われがちだったという印象があります。結果的に、社員全体を見ると一人ひとりが真の自律をできておらず、今、経済産業省がリカレント教育をリスキルと呼んで推進していますが、何を学べばいいのかわからない、だから何も学んでいないという人が多くなっているように感じています。
  • 西田 忠康
    ディスエンゲージメントを招くことにもつながりますね。
  • 楠田 祐
    アメリカでも同じようなことが起きて、これではいけないということでエンプロイー・エンゲージメント、エンプロイー・エクスペリエンスを重視する考え方に変わってきました。一部の層だけでなく全社員に対して人材開発の機会を提供し、一人ひとりが自律するようにしていかなければということです。今はスマホを使って学ぶことも簡単にできる時代ですから、日本でも、働き方改革で空いた時間を使って、社員が自ら能動的に何かを勉強するように本当に変わっていかないと、事業環境が変わっても適応できる能力が身に付きません。それは、会社にとっても本人にとってもアンハッピーです。
  • 西田 忠康
    実際、日本でも、最近の企業内教育は一部の特別な層だけに投資を集中しない方向に変わり始めていると思います。今後は、全社員を対象に、個人が自ら行うリスキルを支援する分野への投資が増えて、一定の層を対象に企業内で行う集合研修などは減っていくのかもしれません。ただ、集合研修自体がなくなることはないと思います。

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