コラム

2020.06.04

「アフター・コロナ」の営業部門を考える ―4つのシナリオと生産性向上

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント
「アフター・コロナ」の営業部門を考える

2020年は、コロナショックが世界中を駆け巡る年となってしまいました。我が国においても4月の緊急事態宣言の発令からはや2カ月。ようやく首都圏も含めて全国で宣言解除となりましたが、その間、個人も法人も外出自粛という、新たな社会的ルールに従い、企業を取り巻く事業環境、そして我々営業パーソンを取り巻く営業環境はすっかり様変わりしました。具体的には、物理的な訪問活動、対面での商談ができない、またははばかられる状況が続いています。多くの企業でリモートワークが推奨され、アナログからデジタルへのシフトが急速に進みました。バーチャル空間での商談を余儀なくされている営業パーソンも少なくないと思われます。このコラムでは、コロナショックで低下した営業生産性を回復させるために、アフター・コロナの営業環境下で求められる営業コンピテンシーと、必要なマインド・スキルについて、私見を述べたいと思います。

あなたの会社の営業部門を待ち受ける「4つのシナリオ」

まずはじめに、今後我々を取り巻く営業環境はどうなっていくのか、考えられるシナリオを検討してみました。営業環境を2軸、すなわち、「コロナ禍が長期化するのか否か?」という時間軸と、「働き方改革含めて、新しい生活様式が根づくか否か?」という、世の中全般の意識変革・行動変容の軸に分けてみました。いずれも蓋然性がフィフティ・フィフティかつ、そうなったらインパクトが大きい軸です。この2軸をドライバーとすると、以下の4つのシナリオが浮き彫りになります。

  • シナリオA:コロナ禍長期化の中で、新しい営業スタイルを模索する
  • シナリオB:コロナ感染リスクでもやっぱり対面商談
  • シナリオC:喉元過ぎれば熱さ忘れる、変われないニッポンの営業
  • シナリオD:コロナ禍短期収束も、新旧の営業スタイルを組み合わせて営業生産性を高める
アフター・コロナの営業環境についての4つのシナリオ

ところで目下、企業の営業生産性は低下傾向にあるのではないでしょうか。つまり、環境変化に対応できない不稼働人員が水膨れし、コロナ不況で市場が冷え込み、企業業績にも下押し圧力がかかっている状態です。営業生産性の回復は、いずれの企業にとっても焦眉の急といえそうです。コロナ収束の時間軸がどうあろうと、我々の意識改革と行動変容により、上記のシナリオAまたはDを実現していく意思や姿勢が求められているのです。

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