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コラム

2021.06.09

面談スキルは役に立つが、それだけでは解決できないこともある ―リモートワークで差が出る1on1ミーティング成功の秘訣(後編)

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター / シニアコンサルタント

率直で客観的なフィードバックも、日頃の信頼関係がないと納得してもらえない

最後のスキルは「フィードバック」です。ここではフィードバックを、「部下のアウトプットに対し、上司の主観的評価を一定の客観性を持たせながら伝えることで、アウトプットのさらなる改善につなげること」と定義します。冒頭でも述べましたが、リモートワークを部下への「強制的な権限委譲」と解釈するならば、部下に仕事を任せたあとのフィードバックの重要性はますます高まっているのではないでしょうか。

さて、フィードバックとは、上司が感じたことを感じたとおりに伝える行為ではありますが、時には部下にとって耳の痛い評価を伝えなければなりませんので、スキルやテクニックというよりも、信頼関係が重要になります。また、一定の客観性がないと部下は納得できません。そのため、日々部下を観察して客観的事実を収集する努力が求められます。

しかしながら、リモートワークの比率が高まる今、いかにして部下にまつわる客観的事実を収集するかは悩ましい問題です。弊社からの提案は、①1on1以外の場における行動観察:オンラインの空間的制約のなさを利用して、部下の営業訪問先や仕事の現場に積極的に同行する、②1on1を用いた本人からの情報収集:任せきりでは見えにくい「プロセス」について、対話を通じて可視化する、③第三者からの情報収集:他メンバーの話題から、部下に関する事実の「パズルのピース」を集める、という3点です。ただし、③は周囲から「刑事の裏取り」に見えないように注意する必要があります。

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