コラム

2022.01.20

そのKPIの使い方、実は目標達成に貢献していない? ~営業部門のためのKPIマネジメント再考

  • b! はてぶ
小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター

値が低いプロセスに注目。営業社員の課題やトレーニングのポイントも明確に

営業プロセスを分解して適切なKPIを設定し、実際の営業活動の結果を記録していけば、それぞれのプロセスにおける量と質のKPIを実績値として集計することも可能です。

個々人の実績を集計してみて、質のKPIの値が低いプロセスがあれば、それがその人の営業スキルの弱みであり、克服すべき課題だと分かります。例えば、「来店のアポイントメントを取るのが苦手で、集客が伸びない」「展示車を魅力的に説明するのが下手で試乗につなげられない」「見積りを提示しても受注につなげられず、クロージングに課題がある」などです。さらに営業部隊全体で集計すれば、組織としての課題の傾向やトレーニングすべきポイントも明らかになります。

また、KPIの実績値を集計できれば、合理的に目標数字を設定することも可能です。例えば、先ほどの自動車販売店の例で、営業A氏の年間の目標数字が「60台販売すること」だとしましょう。A氏の、見積りを提示して受注までクロージングできる「質のKPI」の実績が70%だとすると、86人のお客様に見積りを提示する必要があります。A氏の、査定して見積り提示までできる「質のKPI」が80%だとすると、108人のマイカーを査定する必要があります。という具合にさかのぼっていけば、A氏が各プロセスで目標とすべき「量のKPI」が全て計算できます。そのうえで実際のKPIの進捗を適宜モニタリングし、目標KPIと比較することで、どのプロセスを強化すべきか、どれぐらいの質もしくは量で活動するべきかが、一目瞭然となります。当然、期の途中で実績を予測することも高い精度でできます。

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