コラム

2022.01.20

そのKPIの使い方、実は目標達成に貢献していない? ~営業部門のためのKPIマネジメント再考

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小西 功二 Koji Konishi
小西 功二 サイコム・ブレインズ株式会社
ディレクター

本当に業績を伸ばしたいなら「ウチの営業は特殊だから」は思考停止。DXにも期待しつつ効果的なKPIの設定と地道な記録・集計を

以上のようなことをお話しすると、決まって「話は分かるがウチの営業は特殊だから、そんなに合理的に営業プロセスを分解できない」「自動車販売は営業プロセスが単純だからうまく分解できるのかもしれないが、この業界は特殊だから…」などとおっしゃるお客様が出てきます。

自らを特別視したい気持ちは分かりますが、数多くの業界を見ている弊社からすれば、はっきり申し上げると言い訳に過ぎず、「思考停止」と断ぜざるを得ません。誤解を恐れずに言えば、多少の違いはあれどもB2BもB2Cも、営業プロセスの基本にそれほど違いはありません。本当に業績を伸ばしたいのなら、どうすれば見込み客の発生から受注までの営業プロセスを合理的に分解できるか、また、分解したプロセスに量と質のKPIを「どう設定するか」に知恵を絞るべきです。さらに、設定した後は、KPIを地道にコツコツと集計していくことも重要になります。

たしかに、ここまで述べた営業プロセスの分解にはセンスやコツが必要で、KPIの設定と集計はアナログ作業であり、かなりの時間と労力を要するものです。しかしながら、今後は、進化したIT、デジタルツールの活用により、膨大な顧客データを抽出・集計し、集計結果をマーケティングやセールスに活かすことが容易になってきます。実際、既に多くの企業でビッグデータを解析し、その結果をマネジメントに活用することで、自らのビジネスモデルを変革、進化させています。いわゆるデジタルトランスフォーメーション、DXです。すでに営業活動においても、従来のアナログ的な人的販売と、デジタルツールやデジタルチャネルを活用した販売促進活動をうまく融合させて、顧客の購買体験をより豊かなものにし、結果として営業成果をより高めようとする動きが出ています。こうした動きがさらに進めば、KPIの設定と管理、営業パーソンの能力開発や営業部隊の組織開発に応用することも増えるでしょう。

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