バーチャル・クラスルームの活用

American Cancer Society, Inc. Celia Shore/ Felicia Montgomery バーチャル・クラスルームの実施を現実のものとするための様々なITツールの紹介がありました。こうしたツールをその機能や特性に応じて使いこなすことで、遠隔地にいる参加者がグループワークに参加できるようになります。
今回、学習者がネット上の仮想空間に集まって学ぶ、いわゆる「バーチャル・クラスルーム」の活用における成功事例を聴くことができました。それはアメリカのACSという医療分野のNPOが実施した、マネージャー対象のリーダーシップ強化プログラムの事例でした。
その団体の人材開発部門は、各地にいる多忙なマネージャーを集めて研修することが難しくなってきたことを背景に、バーチャル・クラスルーム方式を採用しました。研修担当者は大枠のスケジュールとフェーズ毎の到達目標を決め、Webinar(ウェブを使ったセミナー。「Web」と「Seminar」を組み合わせた造語)でキックオフ・セッションを開催した後、数名ずつにグルーピングされた受講者に研修の運営を委ねます。
受講者には講義のオンデマンド配信やバーチャル・クラスルーム運営のためのシステム、受講者間の情報交換や助け合いを促進するSNSが提供されます。受講者たちは自己学習に取り組みつつ、グループメンバー全員が参加できる日程を決め、バーチャル・クラスルームでディスカッションやエクササイズを行います。バーチャル・クラスルームの活用によって、集合研修の場合に発生する移動コストがかからないだけでなく、グループ学習のスケジュールを受講者自身が設定することで、「仕事が忙しくて研修を休む→休んだ部分をキャッチアップできない→他の受講者についていけないかも知れない→参加意欲が失われていく」といったネガティブな状態に陥るのを回避できたそうです。