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対談

2019.05.27

研究者の自由、エンジニアの技術伝承と、年齢ベースの平等意識の功罪 ―早稲田大学ビジネススクール 長内厚教授に聞く (中編)

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太田 由紀 Yuki Ota
太田 由紀 サイコム・ブレインズ株式会社
取締役専務執行役員

全員「さん付け」。呼び方一つで意識は変わるかもしれない

  • 太田 由紀
    「上下を気にせず働くことができる」というのは、シニアの方ご本人もそうですが、周囲の意識を変えることもなかなか難しいように思います。
  • 長内 厚
    つまらないことですけど、「君付け」で呼ぶのをやめたらいいかもしれない。男性には「君」で、女性には「さん」。若い人には「君」で、年上には「さん」。呼び分けをするのではなくて、みんな「さん」でいいんです。
  • 太田 由紀
    それはよい方法ですね。私には子どもが2人いて、小学校に入ったときに名簿が男女混合で、先生が誰に対しても「さん」で呼んでいて、私にとってはすごく新鮮でした。「世の中変わったな」と。今は2人とも20代ですが、そういう環境が普通だと思っている世代が就職をしたときに、組織の中が昔のままだったら意味がないですよね。
  • 長内 厚
    そうですね。そう思うと、英語というのは年齢の上下による呼び分けがないので、世代間の平等だとか人権意識という意味では、すごくいい言語ですよね。先日、同僚と大分の高校に授業をしに行ったのですが、事前に取り決めたんです。高校生だから「君」じゃないし、男性だから「君」じゃない。全員「さん付け」で呼ぼうと。
  • 太田 由紀
    素敵ですね。アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)という言葉がありますが、年齢や性別で呼び分けるのを止めるというのは、良い方法だと思います。属性だけでその人を判断するような状況を少しでも変えるきっかけになりそうですね。

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