対談

2020.09.01

人事がつくる、これからのニューノーマル ―上田昌孝氏に聞く、企業変革とダイバーシティ(後編)

  • b! はてぶ
太田 由紀 Yuki Ota
太田 由紀 サイコム・ブレインズ株式会社
取締役

感情の違いと論理の違い ―― 違いをどこまで受け入れるか?

  • 太田 由紀
    先ほど、チームが大切というお話がありました。ダイバーシティ・マネジメントの観点からは、あえて違いを活かした異質なメンバーを入れるのも重要なのかなと思うのですが。
  • 上田 昌孝
    その“違い”をどう捉えるかですよね。僕はまず、意見の違いについてはもちろん許容しています。ただ、やはりチームは一つの価値基準で仕事をしなければなりません。僕にとっての違いとは、考え方や行動のベースが感情なのか、論理なのか。論理をベースにしている人とは、意見が違っても議論ができる。ですが、感情をベースにしている人だと議論ができない。それは困るので、そういった人をチームに入れる必要はなくて、意見が必要な時だけ聞きに行けば済むと思っています。結論がどうであるか、あるいは考え方の違いなんていうのはいくらあってもいい。みんなが共通して論理的に考えられることが重要で、これだけは外せないかな、僕の中で。
  • 太田 由紀
    なるほど。ただ、本当に色々な価値観や意見があって、マネジャーとしてどう対処したらいいか分からないという人もいると思うのですが。
  • 上田 昌孝
    そうですね、いろいろな意見を全て認めてインクルージョンする必要はないと思います。意見そのものよりも、意見のベースになる根拠が大切です。根拠のない意見、感情的な意見をインクルードするということは、経営的にはマイナスでしかない。ただし、感情的な意見ではあるけれど、仕事の上では重要な役割の人の話であれば、プロービングします。つまり、意見を言っている根拠を定性的に聞き出すということですね。

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