対談

2020.09.01

人事がつくる、これからのニューノーマル ―上田昌孝氏に聞く、企業変革とダイバーシティ(後編)

  • b! はてぶ
太田 由紀 Yuki Ota
太田 由紀 サイコム・ブレインズ株式会社
取締役

ビジネス、人事制度、社員の意識。これまでの“当たり前”を変えるチャンス

  • 太田 由紀
    ここまで、経営の視点からお話をいただいたのですが、現場の人事担当者はこの混沌とした状況の中で、どういった視点を持てば良いのでしょうか。
  • 上田 昌孝
    人事というのは、経営の重要なツールですよね? 現在のような状況において経営のあり方は当然変わるべきなのですが、人事の方々もマインドを変えていただくタイミングなのだと思います。今、人事の領域では、戦略的に人材をどのようにマネジメントするかでその会社の営業力が変わっていくというマインドセットの転換が、今更ながら進められています。ですから、リーダーの次のレイヤーの方もそういう意識でものを考えていくべきです。ちょっと気の利いた会社の経営陣は、このニューノーマルの中でどうやって会社を変えていくか、このチャンスをどう活かすかを考えている人が多いです。だって、下手すると今までのマーケットシェアが根本的に崩れることになるわけだから。
  • 太田 由紀
    人事担当者は社員の評価制度やPay for jobという価値観を浸透させるチャンスですね。
  • 上田 昌孝
    そうですね、Pay for jobの考えを徹底させるためには、制度として業績評価を正しく行う必要があります。その大前提は職務の定義、Job descriptionが明確であるべきということです。定義された職務に基づく目標設定をすることで、社員の業績がプラスなのかマイナスなのかが初めて明確になります。

    サバイブするために人事として何をするべきか、そう考えた時のアクションが人事制度の改革です。しっかりとしたビジョンを共有すれば、変化はそんなに難しいことじゃない。今は迷ったり、足踏みしている場合じゃないですよ。
  • 太田 由紀
    おっしゃる通りですね。ビジネス環境や生活様式が大きく変わっている中で、経営者だけではなく、人事も、現場の社員も、いろんなことを変えるチャンス、自分にとってのニューノーマルをつくるチャンスだと言えそうですね。

RELATED ARTICLES