コラム

2020.11.13

日本の企業文化やキャリアプランを学ぶ環境づくりを ― 外国人社員の離職を防止するために(後編)

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蒋 小敏 Xiaomin Jiang
蒋 小敏 サイコム・ブレインズ株式会社
コンサルタント

実は評判が悪い日本企業のOJT制度

日本企業では現場の上司や先輩社員からOJTで学ぶというスタイルをとることは少なくありません。むしろ日本企業では、新入社員受け入れの主要な制度として利用されています。しかし、実はこのOJT制度は外国人社員からあまりよい評価をもらってないことをご存知でしょうか? 

日本人社員は「先輩・後輩」という上下関係を重んじる文化があり、自分より早く入社した人を自然に尊重できて、先輩からの指示に従うことが当たり前だと考えます。しかし、外国人社員は常に自分のOJT担当者を評価の対象としており、自分より優秀で仕事もできて頭のよいOJT担当者を彼らの理想と考えています。ですから、この理想から外れれば、色々な不満が生まれます。よくあるのは、例えば「自分でもできていないのに、なぜ私にそれをさせるのか。自分がちゃんとできてから指示するべき」という不満です。外国人社員が期待するようなOJT担当者をアサインすることができればこの問題は回避できますが、現実には難しい場合もあるでしょう。そのため、OJT制度を採用するのであれば、OJT担当者や配属先の部署に一任するような進め方は避けるべきです。また、アサインされた担当者は自分が外国人社員に評価さていれることをしっかりと意識する必要があると思います。

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