L&Dにおける新たなプレイヤーの代表として、LinkedInやUMUとともに必ず挙がるのが、個人ごとに最適な学習コンテンツのキュレーションを可能にするプラットフォーム開発で知られるDegreed社です。DegreedのCLO(Chief Learning Officer)であり、YahooのVice PresidentやLinkedInのCLOを歴任したKelly Palmer氏によるセッション、『The Skills Quotation:An Easy Formula for Closing the Skill Gaps From Inside Your Organization』において、彼女は「5年以内に労働力の4分の1が機械と入れ替わる」という調査会社のレポートを紹介しながら、次のようなことを示唆しています。
ブロックチェーンというと、多くの方は「ビットコインのプラットフォームを支える技術」というイメージをお持ちではないかと思いますが、ブロックチェーンによる学習プラットフォームも存在し、現在では約50あるのだそうです。そのひとつ、「Start a Career & Learn to Earn」を掲げたBitDegreeは、企業がスポンサーとなって個人に特定のスキルを学ぶためのスカラシップを与え、個人はオンラインコースでそのスキルを習得し、そして企業は特に学習パフォーマンスの良かった人に対して仕事のオファーを出すこともできる、という仕組みです。現在はプログラミングやデータサイエンスなどのIT系のコースが中心となっており、全世界で6万人以上の学習者がいます。
今、L&Dには組織内の人材の学習をクリティカルに考える力と、個々の学習者には見えないかもしれないゴールを、広く長期的な視野から示し、学習者をコミットさせる力が求められていると強く感じます。最終日に参加したセッション『Shaping the Future of the Profession: The 2019 ATD Competency Study』では、ATDアワードを今回含め複数回受賞しているElaine Biech氏などL&Dの大家から、組織の方向性を「川」、L&Dの取り組みを「橋」にたとえ、次のようなメッセージとして表現しました。
同志社⼤学⽂学部卒業。TiasNimbas Business School(オランダ)MBA。旅行代理店、株式会社リクルートを経て、オランダのビジネススクールへ。在学中にHRに興味を持ち、卒業後の2012年、サイコム・ブレインズ入社。クライアント企業の国内外における幹部育成研修、イノベーション人材育成研修などを担当する。近年はDXや組織変革といった難度の高い施策に対し、胆力を持ってやり抜くことができるリーダーの育成を目的としたプログラムの開発に注力している。 兵庫県神戸市出身。趣味は舞台鑑賞。