理念浸透教育(研修)の見直しと改善
- 【課題】
- 理念教育にかなり力を入れているにも関わらず、理念の浸透が感じられない。幹部層と幹部層以下の社員の意識の乖離が大きく、次世代のリーダーが育っていない。
- 【実施方法】
- 全社で組織文化診断を実施し、次期リーダー層(部長、本部長)向け研修にて改善案をディスカッションさせる。
明らかになったこと
- 今までの理念教育では、規律順守や最高品質の維持が強調されており顧客志向についてはほとんど解説していなかった。よって社長が一番大切だと考えている顧客志向のスコアが非常に低かった
- 受注生産が主なのだが、生産設備の制限があるので、営業にとって顧客の声を聞く=無理という発想であった
- 現場スタッフよりもリーダーのほうが規則を守る意識が強かった→現場をコントロールしきれていない(部下マネジメントスキルの教育が必要)
- 多くの社員は仕事のプレッシャーが厳しいと感じていた。
国内外拠点の文化差異を分析し、協業体制を模索
- 【課題】
- 同じ業界内の競合を買収してきたので、もともと文化的な違いが大きかった。近年、生産プロセスが統合され、日本で開発されたものを世界中の拠点で統一規格で生産することになったが、拠点間、そして開発と製造の間でのやり取りがうまく行かず品質も顧客満足度も低下している。
- 【実施方法】
- 各拠点のサブカルチャーのスコアを出すサーベイを実施し、主に人事担当者がその結果の分析をコンサルタントと一緒に実施。事業所間の協業が進まない理由の仮説を立てた。
その後、コンサルタントが作成した資料をもとに各事業所で説明会を実施し、幹部社員が改善策を立案。
明らかになったこと
- 自立を重んじ、規則で縛ることを避けるのか、厳しく規則を守るのかについては事業所の違いが大きく、また、どの事業所も比較的内向き志向であったため、制度や戦略を変えるだけではシナジーを生み出すことが難しかったことが判明。
- 規則の順守プロセスについて共通の定義を作成するとともに、会社全体の動き、他の拠点の動き、お客様の動向について情報提供する機会を多く設けるように企画。
M&A後の人事システム・制度の統合
- 【課題】
- 同業界の元競合会社との経営統合が発表され、人事システムの統合を検討中
人事規定などはかなりの違いがあることがわかっているが、どこをどう統合するのがベストなのか、それを探るためにも文化のアセスメントをしたい。
客観的なレポートと、外部コンサルを交えたセッションを通じて感情的にならない生産的な話し合いをしたい。
- 【実施方法】
- 最適スコアなしの現在スコアだけのレポートで現状の比較を実施。
明らかになったこと
- 緩い制度は良くないと思っていたが、自律を育てることに通じていることが理解できた
- 大きくコンフリクトが生じそうな部分については事前に具体的な調整を考えることができた。
- 表面的な制度の話ではなく、その背後にある思想の話まで踏み込んで考えられた。