世代間ギャップとその克服
近年の定年延長の流れを受けて、「年上の部下」や「かつての上司が今は部下」という難しいマネジメントを強いられる状況に加えて、シニア世代とゆとり世代など、多様な価値観を持つ部下のマネジメントに苦悩する中間管理職が増え、研修のニーズが高まっている事を受けたものです。セミナーには人事やダイバーシティ担当者30名が参加しました。
冒頭、早稲田大学ビジネススクールでイノベーションマネジメントを研究している長内厚教授が「損得で考える組織の多様性」と題した講演を行いました。
違いによる「無駄」こそがイノベーションの源泉
長内教授は、不確実な現代社会を乗り越えるには「組織の多様性」「リーダーの多様性」「個人の多様性」が必要としたうえで、「多様性による違いは『無駄』が不可欠で、生産性を追い求める事とは逆行するため、効率を追い求めすぎず、ある程度無駄も許容できる企業文化こそがイノベーションを生み出す。」と解説しました。
世代の多様性を阻む壁は「先輩後輩文化」「年功序列」
また、世代間の違いによるイノベーションを阻むものとして、長内教授は、年齢を気にしすぎる日本の企業文化から来る「先輩後輩文化」を挙げ、組織風土の改革を提唱しています。
次いで、サイコム・ブレインズ専務太田由紀より、先に発表した調査について解説しました。
当社が社会人167人に実施した調査の結果、職場の半数以上(52%)が世代間の違いが業務を進める上で「マイナス」と感じている事が分かりました。
詳しい調査の結果はこちらをご覧ください。
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000024.000025337.html
- https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000025337.html
最後に、長内教授と太田による対談が行われ、解決策について議論が交わされました。
世代間の違いをストレスにせず組織の発展につなげる為の解決策としては、「違いを認める組織文化への改革」「先輩後輩文化」からの脱却を挙げ、社員同士をより対等な「さん付け」で呼ぶなどを提案しています。
サイコム・ブレインズでは、多様な世代をマネジメントする管理職に向けた「ダイバーシティマネジメント研修」の提供を開始しました。