去る2018年3月27日、「企業課題として取り組むLGBT~企業はどう対応すべきか、当事者の声と先進企業事例から学ぶ~」を開催いたしました。
当社ではこれまで女性活躍推進をテーマとした研修を数多く実施してきましたが、広くダイバーシティ推進を支援したいという想いから、今回初めてLGBTをテーマとして取り上げました。
参加者の関心は企業の具体的な取組事例がトップ
当セミナーではリアルタイムアンケートシステム“UMU”を随時使用し、参加者の“今聞きたいこと”を参考にしながら進行していきました。冒頭では「セミナーへの参加動機、セミナーで特に知りたいこと」を集計。「ダイバーシティ(または)人材育成担当者として、活動の参考に他社の具体的な取組事例を知りたい」という声が多く聞かれました。
講師の蓮見氏からはLGBTの基礎知識に始まり、LGBTに取り組む意義、課題解決策、企業の具体的な取り組み事例に関して話をして頂きました。取り組み事例は、当事者からカミングアウトされた時のロールプレイを行う社内研修、「同性婚」も家族の定義に含める就業規則の改定、など具体例が多く紹介されました。
セミナーの後半では、ゲイの当事者である北村様(野村證券株式会社 ダイバーシティ&インクルージョン推進室)と蓮見氏によるパネルディスカッションを行いました。二人の対談に加え、リアルタイムアンケートで集計した質問に対して回答していくスタイルをとりました。例えば、「LGBT施策における社内の反応はどうだったか」という質問。北村様からは、総論として短期的に見ればデメリットがあるかもしれないが、長期的に見れば変わり行く世の中に伴いポジティブになる、といったお答えをいただけました。
その他、「日本は同性の婚姻、法的保護が行き届いていないが、会社に期待される制度やサポートはどんなものがあるか」「最近のテレビドラマや映画などで、LGBT理解にお勧めの作品はあるか」など様々な視点からの質問に答えることで、LGBTに対する理解を深めていただきました
課題解決に必要なのはアライの表明と無意識の偏見の緩和
LGBTに関する課題に対し、セミナーで提示した解決策の1つはアライ(支援者、盟友)を増やすことです。社内でアライを増やしていくためには、一くくりにしているLGBTにも様々な人がいることを知ってもらい、さらに、直に話をするなど触れ合うことが大切だと話をして頂きました。
解決策のもう一つは無意識の偏見の緩和です。例えば、「LGBT全員がカミングアウトできるのが理想の職場だ」「LGBTにはプライベートの予定を聞かない方が良い」といった考えが無意識の偏見に該当します。こういった偏見を持っていることに気付き、緩和していくことが課題解決のもう一つの方法です。
セミナー後のアンケートでは、今後の取り組み施策で「無意識の偏見の研修」がトップとなりました。多くの参加者が解決策として有効と判断した結果だと思います。
その他としては、「当事者同士のセクハラやパワハラに関する管理職研修」「リーダー研修」など研修に関する施策が目立ちました。