PHASE 2:
営業教育部門が抱える課題を理解し
トライアル的に営業研修をくり返す
営業員の離職率を下げること。
そのためには各支社での指導レベルの均一化が急務。
前述の管理職育成部門で一定の研修効果が認められ、営業教育を企画運営する部門への支援も始まった。
当企業に限らず当該の業界全体に言えることであるが、営業員の離職率を低下させることが経営上の課題の一つである。年間に全国でかなりの数の営業員が入社するが、それと同等数の営業員が退職するという現実がある。営業員が求められる成果を出せず離職してゆく背景には、各支社での営業員に対する教育指導のあり方が多分に影響していることは明白であり、「営業員に対する指導レベルの均一化」が急務であった。
これまで教材は数多く作ってきたものの、育成者独自の指導方法に依存したまま走り続けてきた。指導責任者たちは総合職であり3年もすれば転勤となる。トレーナーも2年任期のため、指導者が変わるたびに違う指導者を受けることになる。指導内容のフレームを見直し、指導方法を均一化することが必要であった。
テーマの絞り込み |
中小法人開拓は全社的に手薄な状態にあったため、まずは中小法人開拓に的を絞りたい。 |
サイコム・ブレインズからのご提案 (社内営業研修会のシステム構築をご提案) |
- 指導者向け集合研修
- 指導者用教材/映像教材/指導者インストラクションガイド
- 受講者用教材
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アクションプラン |
- トライアル研修の実施(新人営業員から選抜)まずはサイコム・ブレインズの講師による直接指導
- 各支社の営業教育責任者(部長職)に対する集合研修現場での展開に備える。
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サイコム・ブレインズ講師の直接指導で効果を実感、
その後、教育責任者へのインストラクションで現場展開。
トライアル研修では、3つの支社で実際の新人営業員を対象にサイコム・ブレインズ講師による直接指導を行った。このとき現場で実際の指導にあたる部長、トレーナー、拠点長も同席。「既存の教育体制に取り込める余地が大いにある」との評価を受けるとともに、指導者・営業員自体の反応も良く、「学んだスキルを継続的に実践すれば顧客開拓のステップアップを図れる」「顧客開拓が怖くなくなる」などの反応が得られた。
その後、公募型で支社の営業教育責任者(部長職)に対するHPC®研修を実施。1日研修+1日フォローの計2日コース。HPC®というフレームを営業教育責任者自らが理解し、支社の具体的指導内容に落とし込むことが目的である。フォロー研修では指導実践後の成果と課題を受講者間で共有する場を設けた。
- トライアル研修受講者の反応
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- 企業開拓がきらいだったが、アポなし訪問に慣れてきた。断られても苦にならない。
- 訪問の際、現地を観察する習慣が付いた。HとPを繰り返せるようになった。
- 企業開拓が前よりも楽になった。1人で開拓できる。
- 「断り」が怖かったが、「断り」の後にいよいよ話すときが来たと思えるようになった。
- 小さな約束が取れるようになった。
- お客様との会話が続くようになった。
- 以前よりもヒアリングができるようになった。
- 再訪問ができるところが増えた。
- 上司や社長の名刺を頂き、次回訪問ができた。
営業教育責任者の指導状況と収穫
A支社 |
○○で実施。ロープレを通じ、相手の興味ある話題でのコミュニケーションが相手に好印象を与える事については皆納得感を持っていた。訪問サーベイの大切さも容易に伝えることはできたものの、日常習慣化させることが課題。 |
B支社 |
○○研修において具体的に指導。考え方の理解はできた。具体的な指導スキルの習得にはまだ時間が必要。実践面においては個人差有り。 |
C支社 |
ロープレの中で相手の関心事をネタとすること、一方的な会話とならないように指導。会話にメリハリが出てきた。ミーティングを取り入れることで参画意識が生まれ他者のノウハウを参考にすることができた。 |
D支社 |
開拓、ニーズ喚起等、あらゆるロープレで以前よりも長く話せるようになった新人が増えていると思われる。ノートをつくりメモを頻繁にとっている新人も出始めている。 |
E支社 |
○○で試験的に実施。着座面談の研修後、本格的な流れのカリキュラムを作成する予定。より実践に近いロープレをすることで、厳しい断りに対する対応力というより、幅広い業種へのアプローチが可能になると考えられる。 |
F支社 |
○○研修で実施。「大変勇気づけられた」「元気になった」との声が多く、実践結果も「出入り許可がもらえた」「提案見込みができた」等以前よりも効果有り。拠点長からの反応もよく「朝礼でやってほしい」「勉強会でやってほしい」等の要望も多く、ベテランからも「改めて聴くことの大切さに気づいた」「私たちも勉強になった」との声。 |